住宅用太陽光発電の設置判断|費用は回収できる?判断軸を解説

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家づくりにおいて、住宅用太陽光発電の設置判断は、多くの人が悩むポイントです。

・設置費用は高いが、本当に回収できるのか
・電気代はどれくらい下がるのか
・売電は今でも意味があるのか
・そもそも自分の家に合っているのか

さらに近年、電気代は数年前と比べて上昇傾向にあり、太陽光発電を取り巻く前提条件も大きく変わりつつあります。

こうした状況の中で、太陽光発電は「付けた方が得かどうか」だけで判断する設備ではありません。
重要なのは、自分の家計・暮らし・将来設計に合っているかどうかという視点です。

この記事では、住宅用太陽光発電を家づくりにおける意思決定と、将来の資産設計という視点から整理します。

仕組みの理解から、設置費用と回収性の考え方までを順に確認することで、「自分の家では、太陽光発電をどう判断すべきか」が見える構成になっています。

なお、太陽光発電の設置判断を行ううえでは、複数社の見積もりを比較し、相場感を把握することが欠かせません。
判断材料として、太陽光発電の一括見積サービスを活用するのも一つの方法です。

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私は2021年に新築の注文住宅を建て、実際に住宅用太陽光発電を設置しました。
その経験と公的機関の情報をもとに、「付けて良かったケース/付けない方が良いケース」を冷静に解説していきます。

太陽光発電を「流行の設備」ではなく、自分で設計し、選択する将来資産として考えたい方は、ぜひこのまま読み進めてください。

目次

住宅用太陽光発電の原理・構成を知る

住宅用太陽光発電の投資判断では、この仕組みを細かく理解する必要はありません。
重要なのは、「どこで発電し」「どこで変換され」「どこでロスが出るか」を大まかに把握しておくことです。


まずは太陽光発電とは何か、どのようになっているのか知りましょう。

太陽光発電の原理

太陽光発電は太陽の光エネルギーを半導体を利用して、電気エネルギーに変換して発電します。

太陽光パネルに太陽光(光エネルギー)が当たると-電子がN型シリコン半導体に集まり、+電子がP型シリコン半導体に集まり電流(電気エネルギー)となります。

この電子の流れを利用して、電気を取り出すのが太陽光発電の原理です。

住宅用太陽光発電の構成

住宅用太陽光発電の構成図
  • 太陽光パネル:太陽の光エネルギーを電気に変換する装置
  • パワーコンディショナー:太陽電池モジュールで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するための装置
  • 分電盤:家の配線に電気を分ける装置
  • 電力量計:電力会社に売った電力や買った電力を計量するメーター
  • 発電量モニター:発電量や消費電力量などを表示する装置
  • 蓄電池:電気を貯める装置

蓄電池のメリット

  • あまった電気を貯めておくことができる
  • 売電価格での固定買取期間を終える卒FIT後の太陽光発電の電気をお得に使える

蓄電池は「太陽光発電の回収を早めるための必須設備」ではありません。
あくまで電気の使い方や将来設計によって検討する“追加オプション”と考えるのが現実的です。

住宅用太陽光発電のメリット・デメリットを知る

住宅用太陽光発電をなぜ設置するのか、メリット/デメリットを知り目的を明確にしましょう。
住宅用太陽光発電は「メリットが多い設備」ではなく、「向き・不向きがはっきり分かれる設備」です。

メリット

  • 電気代の削減
  • 売電収入
  • CO2削減に貢献
  • 枯渇しない再生可能エネルギー

デメリット

  • システム費用、定期点検費用、パワーコンディショナー交換費用がかかる
  • 天候や日照条件などにより発電が不安定
  • 夜間に発電できない
  • 売電価格の低下
  • 固定価格買取制度(FIT制度)の期間満了がある
  • 廃棄時には適正な処理が必要
    太陽光モジュールには有害物質(カドミウム、セレンなど)が含まれる製品もある 

住宅用太陽光発電の設置の流れを知る

住宅用太陽光発電は、設置して終わりの設備ではありません。
計画・設置・運用だけでなく、将来の撤去や更新まで含めて考えてこそ、正しい設置判断ができます。

設置前の段階で全体像を把握しておくことが、後悔しない判断につながります。
ここでは、太陽光発電の計画から廃棄までの全体の流れを整理します。
次の図を参考にしてください。

太陽光発電設置の流れ
出典:太陽光発電協会/JPEA

太陽光発電の撤去

太陽光発電は「設置して終わり」ではなく、将来の撤去・更新まで含めて初めて正しい設置判断ができます。

太陽光発電を撤去する場合、どこに相談するのか

まずは購入した販売店、または取り付けを行った施工店に相談しましょう。
屋根の葺き替えや家屋の解体を行う場合は、屋根工事業者、解体工事業業者に相談しましょう。
設置時の販売店や施工店が廃業され、連絡がつかない場合は、太陽光パネルメーカーの相談窓口に相談しましょう。

太陽光発電 撤去の際の注意点

  • 固定価格買取制度の認定を受けている場合FITの事後処理について留意が必要です
  • 補助金を受けて設置した場合、補助金についても留意が必要です
  • 取付金具と防水処理が必要なことがあります

このように、住宅用太陽光発電は「いくらで設置できるか」だけでなく、「将来どう終わらせるか」まで含めて考える設備です。

設置から撤去までの流れを把握しておくことが、後悔しない設置判断につながります。

住宅用太陽光発電を投資判断する

住宅用太陽光発電は、家づくりにおける設備投資です。
設置費用に対して、将来どれだけ電気代削減や売電収入が見込めるのかを、数字で判断する必要があります

次のポイントを整理することで、住宅用太陽光発電の設置判断ができます。

住宅用太陽光発電の投資判断で考えること

  • 設置費用を何年で回収できるのか
  • 今使っている電気量を、どの程度太陽光発電でまかなえるのか
  • 自家消費しきれない電気を、どれくらい売電できるのか

ここからは、この判断に必要な材料を順に整理していきます。

投資判断材料①:住宅用太陽光発電の設置費用

まず把握すべきなのは、設置費用の相場です。
相場を知らないまま見積もりを見ると、高いのか安いのか判断できません。

①-1:現状の設置費用の相場を知る

重要なのは「いくらかかるか」ではなく、「何年で回収できるか」判断する

経済産業省・資源エネルギー庁の調査によると、住宅用太陽光発電の設置費用は年々低減傾向にあります。

以下は、経済産業省および業界団体が公表している資料をもとにした、住宅用太陽光発電の全国平均的なコスト目安です。
実際の設置費用や維持費は、見積もり条件によって大きく異なるため、最終判断は必ず複数社の見積もりをもとに行ってください。

※地域・屋根条件・施工内容により実際の金額は大きく異なります。
※設置判断のための参考値としてご覧ください。

  • 設置費用:28.0万円/kW(新築案件)
  • 運転維持費:約3,690円/kW/年(20年間想定)
  • 定期点検費用:約2.9万円(3~4年に1回)
  • パワーコンディショナー交換費用:約22.4万円(20年に1回)

【参考資料・出典】
・経済産業省 資源エネルギー庁
 太陽光発電の導入コスト動向・統計資料
 (住宅用太陽光発電の平均導入費用)
・太陽光発電協会(JPEA)
 住宅用太陽光発電システムの維持管理・点検に関する資料
・メーカー公表資料および業界ヒアリングをもとにした
 パワーコンディショナー交換費用の平均値

これらを合算すると、設置費用だけでなく、維持・更新費用まで含めて考える必要があることが分かります。

①-2:見積もりを取る

判断材料を揃える手段として一括見積サービスを活用する

相場を把握したら、必ず複数社から見積もりを取りましょう
目安は3社以上です。

設置業者は、次の条件をもとに見積もりを作成します。

  • 日射量の予測
  • 屋根の方位・形状
  • 屋根材
  • 発電容量(kW)

設計図があれば、事前に用意しておくと精度が上がります。

設置業者の比較ポイント

  • 設置費用
  • kWhあたりの発電単価
  • 保証内容
  • システム構成(将来の拡張性)

価格だけでなく、長期で安心して使えるかを含めて総合的に判断しましょう。

一括見積サービスを使う理由

  • 複数社が競合する前提で価格が提示される
  • 一定基準を満たした施工会社を比較できる

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①-3:補助金を活用する

地方自治体の支援制度を確認する

国の補助金は終了していますが、地方自治体では独自の補助制度を実施しているケースがあります。

設置前に、必ず自治体の支援制度を確認しておきましょう。
補助金の有無で、回収年数は大きく変わります。

投資判断材料②:設置後の電気代削減金額/売電収入

②-1:いま使っている電気量を知る

月別の使用量(kWh)を見る

まず、現在の生活でどれくらいの電気を使っているかを把握します。
検針票や電力会社のマイページを確認しましょう。

②-2:どれくらい自家消費できるかを考える

昼間と夜間、どちらで電気を使っているか

住宅用太陽光発電は、昼間に発電します。
そのため、昼間に使う電気が自家消費量になります。

自家消費量が多いほど、電気代削減効果は高くなります
自家消費をどう増やすかは、暮らし方の設計そのものです。

自家消費を高める方法

  • 昼間に家電(エアコン・洗濯・掃除)を使う
  • 蓄電池を導入し、夜間に使う
  • EV・PHEVへの充電
  • V2Hを使った電力活用
  • エコキュートで昼間にお湯を沸かす

②-3:売電価格の相場を知る

売電価格(FIT価格)は、経済産業省が公表している公式資料を確認する

売電価格(FIT価格)は、経済産業省が毎年公表している公式資料に基づいて決定されています。

なお、2025年度以降の売電価格については、FIT制度の見直しにより新たな制度設計が示されています。

最新の売電価格や制度内容については、経済産業省の公表資料を必ず確認するようにしましょう。

②-4:卒FIT後をどう設計するか

卒FIT後まで含めて考えることで、太陽光発電は「短期回収設備」ではなく「長期資産」になる

住宅用太陽光発電で余った電気を売る「売電」は、国の制度(FIT制度)により、設置から10年間はあらかじめ決められた価格で買い取られます。
この10年間の固定買取期間が終了した後を、一般に「卒FIT」と呼びます。

卒FIT後の主な選択肢

  • 自家消費(蓄電池・EV・エコキュートとの併用)
  • 売電先を変更して自由契約
  • 現状の売電を継続

【補足】太陽光発電の単位を理解する

  • kW:発電容量(設備の大きさ)
  • kWh:一定時間に使った電力量
  • kW単価:システム総額 ÷ 発電容量

同条件で比較するために、kW単価で見ることが重要です。

まとめ

住宅用太陽光発電の投資判断とは、

  • 設置費用
  • 電気代削減
  • 売電
  • 卒FIT後の使い方

まとめて設計することです。

「回収できるか」だけでなく、自分の暮らし方や将来設計に合っているかという視点で判断することが、後悔しない家づくりにつながります。

まずは、自宅条件での費用と発電量を把握するところから始めてみてください。
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