迷うなぁ~家に太陽光発電を設置するか。そもそも設置費用を回収できるのか?
この記事では、こんな疑問にお答えします。
記事内容
- 住宅用太陽光発電の原理・構成
- 住宅用太陽光発電のメリット/デメリット
- 住宅用太陽光発電の設置の流れ
- 住宅用太陽光発電の投資判断
直ぐに設置費用の見積りを取りたい方は
↓
私は2021年に新築の注文住宅を建て、太陽光発電を設置しました。
住宅用太陽光発電を設置する前に知っておくべきこと、設置することを決める判断材料について解説します。
<当記事の主な情報源>
- 私の経験
- 経済産業省 資源エネルギー庁
- 太陽光発電協会(JPEA)
住宅用太陽光発電の原理・構成を知る
まずは太陽光発電とは何か、どのようになっているのか知りましょう。
太陽光発電の原理
太陽光発電は太陽の光エネルギーを半導体を利用して、電気エネルギーに変換して発電します。
太陽光パネルに太陽光(光エネルギー)が当たると-電子がN型シリコン半導体に集まり、+電子がP型シリコン半導体に集まり電流(電気エネルギー)となります。
この電子の流れを利用して、電気を取り出すのが太陽光発電の原理です。
住宅用太陽光発電の構成
- 太陽光パネル:太陽の光エネルギーを電気に変換する装置
- パワーコンディショナー:太陽電池モジュールで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するための装置
- 分電盤:家の配線に電気を分ける装置
- 電力量計:電力会社に売った電力や買った電力を計量するメーター
- 発電量モニター:発電量や消費電力量などを表示する装置
- 蓄電池:電気を貯める装置
蓄電池のメリット
あまった電気を貯めておくことができる。
売電価格での固定買取期間を終える卒FIT後の太陽光発電の電気をお得に使える。
住宅用太陽光発電のメリット・デメリットを知る
住宅用太陽光発電をなぜ設置するのか、メリット/デメリットを知り目的を明確にしましょう。
メリット
- 電気代の削減
- 売電収入
- CO2削減に貢献
- 枯渇しない再生可能エネルギー
デメリット
- システム費用、定期点検費用、パワーコンディショナー交換費用がかかる
- 天候や日照条件などにより発電が不安定
- 夜間に発電できない
- 売電価格の低下
- 固定価格買取制度(FIT制度)の期間満了がある
- 廃棄時には適正な処理が必要
太陽光モジュールには有害物質(カドミウム、セレンなど)が含まれる製品もある
住宅用太陽光発電の設置の流れを知る
太陽光発電設置の計画から廃棄まで、全体の流れを知りましょう。
太陽光発電の撤去についても知っておきましょう。
太陽光発電の撤去
太陽光発電を撤去する場合、どこに相談するのか?
まずは購入した販売店、または取り付けを行った施工店に相談しましょう。
屋根の葺き替えや家屋の解体を行う場合は、屋根工事業者、解体工事業業者に相談しましょう。
設置時の販売店や施工店が廃業され、連絡がつかない場合は、太陽光パネルメーカーの相談窓口に相談しましょう。
太陽光発電 撤去の際の注意点
・FITの事後処理について留意が必要です
※固定価格買取制度の認定を受けている場合
・補助金についても留意が必要です
※補助金を受けて設置した場合
・取付金具と防水処理が必要なことがあります
住宅用太陽光発電を投資判断する
住宅用太陽光発電は投資です。
投資とは利益を見込んでお金を出すことです。費用対効果をしっかり見込んでおきましょう。
住宅用太陽光発電の投資判断
- 設置費用を何年で回収するのか
- いま使っている電気量を今後どのくらい太陽光発電でまかなうのか
- 自家消費して余った太陽光発電はどのくらい売電するのか
投資判断材料①:住宅用太陽光発電の設置費用
最初に設置費用を知ることです。
相場を知り、設置業者に見積り依頼しましょう。3社以上に依頼し、相見積りを取り比較します。
お住まいの補助金もしっかり活用しましょう。
①-1:現状の設置費用の相場を知る
経済産業省の資源エネルギー庁で、住宅用太陽光発電の設置費用の動向が調査されています。
設置費用と運転維持費がどのくらいかかるのか相場を知りましょう。
システム費用は太陽光パネルが約60%、工事費が約25%を占め、新築案件・既築案件ともに低減傾向です。
- 設置費用:28.0万円/kW(新築案件)
- 運転維持費:3,690円/kW/年(5kWの設備を想定した場合、20年間)
- 定期点検費用:2.9万円(3~4年ごとに1回程度の定期点検が推奨)
- パワコン交換費用:22.4万円(20年に1回)
(2.9万円×5回+22.4万円) ÷ 5kW ÷ 20年間 = 約3,690円/kW/年
①-2:見積りを取る
3社以上の設置業者に依頼して、見積りを取ります。
設置業者はそもそも設置可能かどうか、日射量の予測や屋根の方位、形状、屋根材などを元に見積りを作成します。自宅の設計図などあれば用意しておきましょう。
最終的に設置業者の選定は総合的に判断します。
設置業者の比較ポイント
・設置費用
・kWhあたりの発電単価
・保証
・形状
住宅用太陽光発電の一括見積りサイトを利用する
<メリット>
・ライバルがいる前提で価格設定してる。
・信頼できる会社を紹介してくれる。
①-3:補助金を活用する
「2050年カーボンニュートラル」に向けた国、地方自治体の支援活動があります。
現時点では、国の支援は終了していますが、地方自治体は独自の支援があるので、お住まいの地方自治体の支援制度を知り活用しましょう。
投資判断材料②:設置後の電気代削減金額/売電収入
②-1:いま使っている電気量を知る
太陽光発電設置前のいまの生活で、どのくらい電気量を使っているのか知りましょう。
②-2:今後どのくらい住宅用太陽光発電でまかなうのか?自家消費量を見積る
住宅用太陽光発電は昼間に発電します。
いま使っている電気量の中で昼間の電気量分が、自家消費量になります。
自家消費量に売電単価を掛けることで、電気代削減金額が見積もれます。
有効な自家消費も知っておきましょう。
発電した電気を有効に自家消費する方法
- エアコン、洗濯、掃除などの電気の使用を、太陽光発電が十分に発電している昼間に行う
- 家庭用蓄電池に太陽光発電の電気を蓄えて、夜間に使う
- プラグインハイブリッド自動車、電気自動車に、太陽光発電の電気で充電する
- V2H(Veicle to Home)機器を使って、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車に蓄えた電気を家で使う
- エコキュートで、太陽光発電の電気でお湯を沸かす
- パワーコンデショナーを交換する場合に、蓄電池に対応出来るパワーコンディショナ(ハイブリッド型)ーを選択する
- 自宅で発電した電気を電力会社に預かってもらい、翌月や発電が少ない月の使用電気料に充当する
出典:太陽光発電協会/JPEA
②-3:現状の売電(買取)価格の相場を知る
売電(買取)価格も、経済産業省の資源エネルギー庁で確認できます。
相場を知っておきましょう。
売電価格は年々減少傾向です。
電源 | 規模 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
住宅用太陽光発電 | 10kW未満 | 19円 | 17円 | 16円 |
2022年度以降の買取価格価格表(調達価格1kWhあたり)
②-4:売電収入を見積る
売電収入は太陽光発電システムで発電した電気のうち、自家消費できなかった余剰分を電力会社に売却することで得られます。
住宅用太陽光発電の余剰電力は、固定価格での買取期間が10年と定められています。
FIT(Feed In Tariff:再生可能エネルギーの固定価格買取制度)制度です。
再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。
10年後発電した電気をどう扱うか、蓄電池の設置も含めて考えておきましょう。
固定価格買取期間満了後(卒FIT)の選択肢
①自家消費
電気自動車や蓄電池・エコキュート等と組み合わせて自家消費
②売電先を変更
小売電気事業者などに対し、相対・自由契約で余剰電力を売電
③売電先を変更せず現状のまま
太陽光発電の単位
太陽光発電の単位も知っておきましょう。
- kW :電力の単位。
W(ワット)は瞬間に使われる電気の大きさ、容量を示す。
1000Wを基本単位にしてkW(キロワット)で表す。 - kWh :一定の時間に使われた電力の総量を示す場合の単位。
kWh(キロワット時)。 - kW単価:太陽光発電システムの総額(円)を発電容量(kW)で割り1kWあたりの価格を示す。
設置するメーカーやパネルの枚数、工事内容によって金額が変わるので同じ条件でみるための方法。
まとめ
新築住宅に太陽光発電設置を検討されている方、既存住宅に太陽光発電設置を検討されている方へ、太陽光発電設置前の備え4つを解説しました。
- 住宅用太陽光発電の原理・構成を知る
- 住宅用太陽光発電のメリット・デメリットを知る
- 住宅用太陽光発電の設置の流れを知る
- 住宅用太陽光発電の設置を投資判断する
住宅用太陽光発電は投資です。
利益を見込んで設置判断されてはいかがでしょうか。
以上です。
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