家づくりで多くの人が後悔する理由は、いつも同じです。

何を基準に家を選べばいいのかわからなかった。
どこを見るべきかを知らないまま進めてしまった。
間取りも設備もハウスメーカー選びも大事ですが、それ以前に「基準(判断軸)」がないと、どれだけ良い情報を集めても迷い続けます。
私が家づくりで最も大切だと感じたのは、『資産価値が落ちにくい家』という判断軸を持つことです。
この記事は、これから家づくりを考える人が「何を基準に判断すればいいか」を整理するための“考え方の地図”です。
購入前に必ず整理しておきたい7つの判断軸について解説します。
7つの判断軸


それでは、7つの判断軸を1つずつ見ていきましょう。
①長期コスト
家づくりは「住んでからのコスト」で考える。
家の購入には初期費用とランニングコストがあり、住み続けるほどその差は大きくなります。



家の購入は、車選びと同じです。
燃費のいい車を選ぶように、家も“維持費”で選びましょう。
ランニングコストの内訳
- 住宅ローン金利
- 光熱費
- 修繕・メンテナンス費
「安く買う家」と「得する家」は、必ずしも同じではありません。
家づくりで見るべきなのは、「いくらで買うか」より「どう暮らし続けるか」です。
②メーカー信頼性
住宅メーカーは、家を守り続けるパートナー。
家の資産価値は、住宅メーカー選びで大きく変わります。



住宅メーカーは、家の“主治医”。
建てたあとも、点検やメンテナンスで関係は続きます。
※ハウスメーカー選びで迷っている方はこちら。


③資産価値
いい家とは資産価値が高いこと。
資産価値が高い家は、耐久性とデザインに優れ、省エネ性能が高く、メンテナンスが最小限で済む家です。
家の価値を維持・向上させるためには、定期的な点検を行い、必要に応じて補修や交換、リフォームを続けていくことが欠かせません。



家は劣化するもの。
大切なのは「劣化させないこと」ではなく、「きちんと手を入れ続けること」です。
④放水性能
家にとって最大の敵は水分です。
家にかかわる水分
- 雨水
- 生活用水
- 結露
量が圧倒的に多く、家に与える影響が大きいのが雨水です。
雨水を防ぐ役割を担うのが外壁と屋根です。
外壁と屋根を健全な状態で保てるかどうかが、長く住み続けられる家を持てるかどうかの、大きな分かれ道です。
⑤履歴情報
住宅履歴は、家の「カルテ」です。
住宅履歴情報とは、新築時の図面や建築確認書類、定期点検やリフォームの履歴など、その家がどのように維持管理されてきたかを示す記録です。
履歴情報が残っていることで、売買や賃貸の際に、家の価値が適切に評価されやすくなります。
住宅履歴情報は「この家にどれだけ手がかけられてきたか」を第三者に説明するための”証拠”になります。
⑥長期優良
長期優良住宅は、家の資産性を第三者基準で示すための「目印」です。
長期優良住宅かどうかは、
・長く住める構造か
・将来売るときに説明できる家か
を客観的に示すための仕組みです。
長期優良住宅の認定を受けた家は、補助金や住宅ローン金利の優遇、税の特例などを受けられる場合があります。
長期優良住宅かどうかは、「その家が将来も資産として評価され続けるか」を判断するための一つの指標になります。
⑦省エネ性能
省エネ性能は、「住み心地」と「将来コスト」を同時に決める指標です。
法改正により、すべての新築住宅には省エネ基準への適合が義務化されています。
これは、省エネ性能が“当たり前の比較項目”になったということです。
省エネ性能の高い家には、次のような特徴があります。
- 高断熱・高気密で、室内環境が安定している
- 高効率な設備により、エネルギー消費を抑えられる
- 太陽光発電などで、エネルギーを自らつくれる
省エネ基準は、次のような客観的な指標で評価されます(※地域差あり)。
- 外壁・屋根・窓などの断熱性能(外皮基準)
- 住宅全体のエネルギー消費量(一次エネルギー消費量基準)
省エネ性能が高い家のメリットは以下になります。
- 光熱費を抑え、長期的な住居コストを軽減できる
- 室温差が少なく、快適性・健康面で有利
- 税制優遇や補助金など、制度面のメリットを受けやすい
省エネ性能は、「いま快適か」だけでなく、「将来も選ばれる家か」を左右する判断軸になります。
7つの判断軸 全体まとめ
7つの判断軸は、「良い家かどうか」を感覚で決めるためのものではありません。
それぞれはすべて、「この家は、10年後・20年後も価値が残るか?」という問いにつながっています。
家づくりで後悔しないために大切なのは、正解を探すことではなく、自分の判断軸を持って選ぶことです。
まとめ


家は高い買い物ですが、本当に差が出るのは「いくらで買ったか」よりも「どう維持され、どう評価され続けるか」です。
今回紹介した7つの判断軸は、すべて 「その家が将来も資産として残るか」 という一点につながっています。
情報に振り回されず、自分の軸で比較し、納得して決断する。
それが、長く住めて、価値も残る“良い家”を手に入れる一番の近道です。
次のステップとして、具体的にどのように家づくりを進めるかは、
以下の記事を参考にしてください。


<当記事の情報源>
- 私の経験
- 国土交通省HP
参考文献
- トクする家づくり損する家づくり
柿内 和徳 川瀬 太志[著] - あなたの持ち家が危ない
山下 隆盛[著] - やらなければいけない一戸建てリフォーム
高橋みちる[著]
以上です。








